2月の薬膳
2月の薬膳
2月はまだ寒さが厳しい季節ですが、二十四節気では春の訪れを表す「立春」の季節となります。古くは立春を1年のはじめとして祝っていた時期がありました。中国では立春を祝い、春餅や春巻を食べます。春餅とは、小麦をこねて丸く薄く伸ばしたものを焼いた主食です。北京ダックを食べるときに、ネギやみそと一緒に肉を包んで食べる「荷葉餅」のように、おかずを包んで食べます。北方では春餅、南方では小豆あんや青菜、肉のおかずを薄い皮に包んで揚げる、春巻を食べるそうです。いづれも立春に食べることから、「春」の文字がついたものです。さらに、春餅とともに立春に欠かせないのが、春の生野菜を並べたプレート、春盤です。生野菜を春餅に包んで食べることを、「咬春」(春を食べる)と言って立春の大事な行事にしてきたのです。
また、春巻き誕生には、こんな物語があります。科挙の試験勉強のため、寝食を惜しんで勉強する夫のために、片手で簡単に食べられるよう、主食の薄焼きパンに様々なおかずを巻いて作ったのが「春巻」だったとか。手軽に食べられる春餅は、受験生のお夜食にピッタリかもしれませんね。
今回は、夜食ということも考えて、カロリーが高くなりすぎないよう、油で揚げた春巻きでなく、春野菜を肉みそでいただく春餅を紹介いたします。気の流れを良くするセロリや菜の花を添えて、ストレス解消にもよい薬膳に仕上げました。
「春餅の春野菜と肉みそ添え」
肉みそ
材料:豚ミンチ 250g、みそ 大さじ1杯半、オイスターソース 大さじ1、
砂糖 大さじ2。
作り方
- フライパンを熱し、大さじ1の油を敷き、豚ミンチを良く炒める。
- 3種の調味料に100mlの水を加えてよく混ぜておく。
- 中火にして①に②を流し入れ、よく混ぜ合わせ,ひと煮立ちさせる。
春餅
材料:薄力粉 200g、塩 一つまみ、水 180ml。
作り方
- 薄力粉に塩を加え、菜箸で混ぜながら、水を加える。
- 粉をひとまとめにしてよくこね、表面が滑らかになるまでこねる。
- 濡れ布巾をかけて、30分くらい寝かせる。
- 打ち粉を振り、棒状に伸ばして
その他
材料:菜の花 半束、にんじん 1/2本、大根 適量、ホワイトセロリ 1/2束
セリ 適量。
作り方
- 菜の花はゆでて縦に切る。
- ホワイトセロリとセリは生のまま5~7センチに切る。
- にんじんと大根は長めの千切りにする。
食物効能表
大根 | 涼 | 辛、甘 | 肺、胃 | 消食化痰、下気寛中 |
ニンジン | 平 | 甘 | 肺、脾 | 健脾化滞、潤燥明目 |
セリ | 涼 | 甘、辛 | 肺、胃 | 清熱利水、止血止帯 |
セロリ | 涼 | 甘、苦 | 肝 | 平肝清熱、利湿治淋 |
アブラナ | 涼 | 辛、甘 | 肺、肝、脾 | 行瘀散血、消腫解毒 |
豚肉 | 平 | 甘、鹹 | 脾、胃、腎 | 滋陰、潤燥、益気 |